ミカタ日記

新たな生物 人の手で

2/10 日本経済新聞の掲載記事です。

 

 

 最近では生命科学の研究が進み、自然界にはありえない生物を人の手で創ろうとする試みが始まりました。実際に北海道大学や理化学研究所が、樹脂や医薬品の生産に生かす研究に名乗りをあげています。

 

 トヨタ自動車などと連携した北海道大学の研究チームは、二酸化炭素(CO₂)を取り込んでプラスチックに変える植物を創りました。プラスチックを作るために必要な成分をこれまでは化学合成でしか繋ぐことができませんでしたが、その役割を果たす人工酵素を遺伝子に組み込むことに成功したのです。これがうまく働けば、光合成で取り込んだCO₂からプラスチックを作りだすことができるはずです。これにより、「畑でのプラスチックの収穫」の実現に向けて大きなステップを踏み出すことができました。

 

 遺伝子工学は急速に進歩しています。人工酵素の遺伝子組み込みを「雪道を走る車」に例えると、これまでの遺伝子組み換え技術は「タイヤにチェーンを取り付ける」という方法であり、新しい技術は「タイヤを戦車のような無限軌道に改造する」という方法なのです。

 

 一方理化学研究所では、本来DNAは4つの文字(塩基)で記されているというところに、人工物質で2つの新しい文字を継ぎ足しました。この人工DNAは自然のDNAとそっくりの働きを示し、さらにこれまでにない生命反応も起こしたのです。この研究は薬などの開発にもつながるとみられています。遺伝子さえも、地球上に存在しない形に作り変えられるようになったのです。

 

 

コープこうべが医薬品をネット販売

6/15 神戸新聞の掲載記事です。

 

コープこうべが処方箋なしでも購入できる一般用医薬品のインターネット販売を6月16日に開始しました。(コープシーアドラッグ ネットショップ

コープこうべによると、医薬品のインターネット販売は全国の生協では、はじめての取り組みだそうです。

 

注文受付時間は午前5時~翌午前1時まで、メールの対応時間は午前10時~午後9時まで、薬剤師や登録販売者が申し込みメールを確認し、症状や使用上の注意などをメールでやりとりして確定させる仕組みだそうです。

現在は約700点ほど扱っており、順次増やしていくそうです。

 

 

 

血糖値が測れるコンタクトレンズ開発

6/15 神戸新聞の掲載記事です。

 

大手製薬会社のノバルティスと米グーグルが共同で、採血をせずに血糖値を常時測ることができるコンタクトレンズ「スマートレンズ」を実用化することを6月15日に発表しました。

スマートレンズは糖尿病患者の治療に役立てるとのことです。

 

レンズについているセンサーを利用して涙に含まれるブドウ糖の量を測定し、その測定値のデータをモバイル機器などに無線で伝送される仕組みだそうです。

 

現在はジョギングの際に心拍数を測定できるなど健康維持のための運動に役立てる腕時計型の商品や

飲み込んで消化器を撮影するカプセル内視鏡など体の内側から情報を得る技術などの開発が進んでいます。

今後、様々なウエアラブル医療機器の開発が期待されます。


 

 

 

圧縮空気で指の動きが再現できるリハビリ支援機

7/17の日経新聞にて、リハビリ支援機の掲載記事がありました。

 

神奈川工科大学先進技術研究所が開発した「パワーアシストハンド」は、麻痺した手や指のリハビリに役立つ支援機としてリハビリ専門病院でも導入されています。

 

「パワーアシストハンド」は、手袋の甲側に蛇腹状のチューブがついており、手袋を装着してからボタンを押すと空気が流れだし、手の指を伸ばしたり縮めることができます。

握ったまま固定された手を開かせることで、ペットボトルを持てる生活サポートにも繋がるそうです。

 

「パワーアシストハンド」の1日のリハビリの目安が400回(グーパー運動)ほどで、リハビリ施設に行けない日でも、好きな時に自宅で使えて、値段もリーズナブルな価格で持ち運び便利なリハビリ支援機です。

 

今後は麻痺していない手にセンサーをつけた手袋をはめて、麻痺のある手が同じ動きをする方式も開発中とのことです。また麻痺した足の機能回復や義手の開発も進めているそうです。

 

 

 

病院のレシピ 11月からインターネットで全国配信

7/13 日経新聞の掲載記事です。

 

全国国立病院管理栄養士協議会は、グローカル・アイと住友商事マシネックスと共同で、国立病院の病院食レシピを配食業者などにインターネットで配信するサービスを開発することを発表しました。

 

全国国立病院管理栄養士協議会に所属する164施設を、全国6つの地域にグループ分けし、地域の特色を生かしたレシピを収集。集めたレシピをグローカル・アイがクラウドシステムを活かして配信。配食業者や弁当店が地元の国立病院のレシピを活用できるシステムを作るそうです。販売は住友商事マシネックス。11月より有料配信の予定。

 

今後は、生活習慣病や在宅患者などが手軽に食べれるように、一般家庭への配信も目指すとのことです。

 

 

薬剤を腸で吸収しやすく 名城大がマイクロメートル以下に粉砕

6/24 日本経済新聞の掲載記事です。

 

水に溶けにくい医薬品を微細化して腸から吸収しやすくする技術の開発が進んでいます。

 

名城大学の丹羽敏幸教授らは、粉末状の医薬品を液体窒素の中でドライアイスの粉と 一緒にかき混ぜることで、1マイクロ(マイクロは100万分の1)メートルよりも小さいサイズに粉砕する技術を開発しました。

 

通常は20%しか水に溶けず、腸から吸収しにくいという欠点があった。

てんかんの発作を抑える治療薬「フェニトイン」を粉砕したところ、90%以上が水に溶けるようになったそうです。

 

ドライアイスは気化するので粉砕後、不純物が残らず

金属を使った粉砕に比べて実用化の障害が低くなります。

 

今後は、製薬会社と協力して、様々な医薬品で試すそうです。

 

子ども用の義手確保へ 全国初、兵庫県が貸出制度

6/9の神戸新聞の掲載記事です。

 

兵庫県立リハビリテーション中央病院は、訓練用の「筋電義手」を必要とする子どもたちに貸し出すための“バンク”を設立する、と6/9に発表しました。

 

成長に伴いサイズが合わなくなった義手の提供や、新たな義手購入のための寄付などを呼び掛けるそうです。

県によると全国で初の取り組みとのことです。

 

 筋電義手は筋肉が動くときに生じる微量の電気信号を利用し、本人の意思に応じて指を動かせます。

1台約150万円と高額ですが、訓練を受けて使い方に習熟すれば、障害者総合支援法に基づく補助を受けられ、上限約3万7千円の自己負担で購入できるそうです。

 

 しかし、訓練中は補助がなく、多くの子どもが思うように訓練を受けられていない事から、

同病院は訓練できる環境の充実が必要と判断されたそうです。

 

  義手の提供や金銭の寄付は、県社会福祉事業団と「ふるさとひょうご寄付金」で6/16から受付けされています。集まった義手は、中学生以下の子どもに月千円で貸し出され、県も寄付で集まった金額と同じ額を上限3千万円まで助成するとのことです。

 

 

兵庫県立リハビリテーション中央病院 経営企画課 TEL078-927-2727

 

4/11 リハビリテーション中央病院 前回記事

 

血液でがんの可能性検査 医療機関で導入

6/7 神戸新聞の掲載記事です。

 

採血検査(5ml)だけで複数のがんの可能性が簡便に調べられる「アミノインデックスがんリスクスクリーニング(AICS)」という検査方法について、兵庫県内の医療機関でも導入が進められているそうです。

2011年に解析サービスを始め、現在は県内30カ所以上で導入されています。

 

味の素株式会社が技術開発したAICSは、臓器に異常が起きると変化する血中のアミノ酸濃度に着目し、濃度を解析してがんの可能性を探り、可能性が高いと判断されれば、精密検査に移すとのことです。

 

今年2月には、「切らないがん治療」に特化した神戸低侵襲がん医療センターもAICSを導入しました。

同センターではこれまでにAICSで40人以上を検査し、がんの可能性が高いとの結果を受け画像診断などの精密検査をし、動脈瘤(りゅう)が見つかった例もあったそうです。

 

男性は胃、肺、大腸、前立腺の各がんの4種、女性は胃、肺、大腸、乳、子宮・卵巣の各がんの5種(税別で2万円)を一度に調べられます。また女性は乳、子宮・卵巣の各がん2種(同1万円)に絞った検査もあるそうです。

 

がんの可能性があるかどうかの診断のため、公的医療保険は適用されません。
可能性を0~10の数値で示され、さらにABCの3ランクに分類されるとのことです。 

 

同センターの藤井正彦院長は「働き盛りの年代が、AICSに関心を持ってくれている。検査をきっかけに、がんをはじめとした病気全般への関心を高め、健康を維持してほしい」と話しています。   

AICSを導入している医療機関は、「臨床アミノ酸研究会」のウェブサイトで検索できます。

 

今後、がんの早期発見につながることが期待されます。 

 

【関連記事:財経新聞

 

 

飲むワクチン日米特許 世界展開も

6/9の47NEWSの掲載記事です。

 

森下仁丹株式会社が、ビフィズス菌と脂溶性シームレスカプセル化技術を用いた経口ワクチンの技術で日米で特許を取得したと5月29日に発表しました。

胃で消化されず腸で溶ける独自開発のカプセルに入れて口から飲むワクチンの技術により、

感染症の予防などに用いるワクチンを注射せずに投与できます。

将来的に製品化し、世界販売を目指すとのことです。

 

 神戸大と共同開発した技術を使い、感染症の原因となるタンパク質をビフィズス菌の表面や内部に作り出し、これをワクチンとして服用。体内に抗体を作り出して感染症を防ぐとのことです。

 ビフィズス菌は胃酸に弱いが、カプセルに入れれば腸まで届けられるためワクチンの効果が高く、注射より扱いが容易で安価という利点もあるそうです。

森下仁丹は、インフルエンザやコレラといった感染症の予防だけでなく、慢性C型肝炎などの治療にも「飲むワクチン」の技術を活用し、新薬を開発する方針だそうです。担当者は「10年以上先になるだろうが、飲むワクチンの世界展開を目指したい」と話しています。

 

 

 

DeNAが病気予防や生活改善のためのDNA解析

5/26 日経新聞の掲載記事です。

 

ディー・エヌ・エー(DeNA)が、夏に個人向けの簡易遺伝子解析サービスを開始するそうです。

利用者から送られた口の粘膜や唾液などから採取した遺伝子情報を調べ、疾病のかかりやすさを数週間で診断できるそうです。また通常の健康診断では分からない遺伝的な体質も調べられるとのことです。

複数のプランを用意し、価格は1回あたり1万円前後~数万円で、ヤフーなども参入を進めているそうです。

 

手軽に利用できる低価格の遺伝子解析サービスを通じて、健康維持や疾病予防に役立てる動きが本格化されます。

 

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