脳卒中の予兆を見分ける方法などの学習を通じて、小学生でも家族の異変に気付けるようにと兵庫県明石市消防本部が開いてきた「子どもと取り組む介護予防プロジェクト」の受講者が1万人を突破しました。

実際に祖父の脳卒中に気付き、早朝の119番通報につながったケースもあり、家庭の現場などで着実な効果を生んでいるそうです。

 

同本部によると、脳卒中は脳の血管が詰まったり破れたりする病気で、寝たきりとなる原因で最も多いとされ、発症から4時間半以内に血栓を溶かす点滴薬「tPA」を投与すれば後遺症の危険を遠ざけ、回復する可能性が高まります。

家族たちが症状に気付いてから救急搬送するまでに時間がかかり、およそ3割が間に合わないということです。

 

同プロジェクトは2014年度、脳卒中が原因で要介護の状態になる患者を少なくするため、子ども向けに同本部が始めました。

学んだ内容を子どもが家庭で話すことで家族にも浸透させる狙いもあったそうです。

 

対象は小学4~6年生で、国立循環器病研究センター(大阪府吹田市)が監修した教材を使い、腕が動かなくなったり、言葉がうまく話せなくなったりする兆候などを同本部の救急救命士が教えます。

市内の脳神経外科が2015~20年に、外来の受診者計42人にアンケートしたところ、うち16人が小学生の孫に病院に行くように勧められたと回答したということです。

 

大久保南小学校(明石市大久保町)でこのほどあった同プロジェクトの教室では、4年生約150人の参加で累計の受講者が1万人を超え、半身まひ状態の感覚を装具をつけて体験するなど、脳卒中についての理解を深めた児童に、記念の認定書が贈られたそうです。

 

10/17 神戸新聞

脳卒中(国立循環器病研究センター)