3Dプリンターの進化
本日は前回に続き3Dプリンターの内容です。
産学連携で医療分野に3Dプリンターを活用する動きが広がっていると
10月25日の日本経済新聞で掲載されておりました。(日本経済新聞)
1・ナカシマメディカルと大阪大学の開発
人工関節メーカーのナカシマメディカルと大阪大学は、患者の変形した骨に合わせた手術器具
「パーソナライズド人工関節」開発し手術時の精度を高めて時間も大幅短縮するとのこと。
開発した手術器具は、骨を切断するためのガイド器具を3Dプリンターで作成。
本来、骨折などで変形した骨を治療するには、骨を切断する手術が必要だが、
新しい器具を使うとどこを切断すれば良いかが分かるため、通常2時間以上かかる手術が40分で終わるそうだ。
これらを用いた腕の手術が厚生労働省に承認され、現在は足の手術向けでも承認審査中とのこと。
またナカシマメディカルは経済産業省の支援を受け、政策シンクタンクのJIGHと共同で香港やシンガポールでも富裕層向けに販売を始めるそうだ。
2・医療機器開発のネクスト21と東京大学、理化学研究所との開発
3Dプリンターで成形する人工骨を実用化した。
患者の体に合わせた医療機器の普及で、患者の負担軽減が予想されている。
リン酸カルシウムを材料に3Dプリンターで積層して作る。
事故や先天的な病気による骨の欠損や変形の治療に使うとのこと。
2014年には実用化を目指すそうだ。
3・北陸先端科学技術大学院大学の川上教授らとスタジオミダス
MRIのデータを基に肝臓と腎臓の立体模型を作製。
外科手術のシミュレーション用で、外科手術の手順を決める際などに役立てるとのこと。
4・海外での記事
失った足にそっくりな義足などの開発、実用化が進んでいる。
欧米では耳の形に合った補聴器や歯科矯正用のマウスピースなどの利用が広がっているとのこと。
5.東北大学(11/8東北大学HP)
千葉晶彦教授らの研究グループは、金属用3Dプリンターで原子の配列を一方向に揃えられることを、
人工股関節等に用いられている医療用コバルト−クロム合金を用いた実験で発見。
国産のオーダーメイド人工関節の実現が加速します。
また、ジェットエンジン用タービンブレード等、3Dプリンターを用いた金属製品の開発に重要な影響を与える。
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直近では、ダイソン財団 デザインアワード 日本人が初受賞(11/13日経新聞)記事も掲載されておりました。
日本の医療分野で3Dプリンターを普及するには、
薬事法の承認を得るために製造方法や材料の安全性の検証が課題になっているが
3Dプリンターは、これからのモノ作りだけではなく、医療を益々変えていくことが期待される