隈病院(神戸市中央区)が2月中旬に、電子カルテのデータをインターネットで保存する「クラウド型」に移行しました。

クラウドにつながる端末があれば、どこからでもカルテにアクセスできるシステムで、従来の方法と違い、常に最新のカルテを保存し、取り出せるため、災害などによる患者情報の喪失を防ぐだけでなく、施設が損壊しても診療の継続が可能になるそうです。

 

東日本大震災では医療機関が被災してカルテが失われ、患者データのバックアアップが課題になり、情報が自前のパソコンや携帯端末ではなく、外部の専用データセンターで管理するサービス「クラウド・コンピューティング」を応用し、ネット環境が整えば閲覧や編集ができるそうです。

 

甲状腺専門の同病院は、長期のフォローを必要とするパセドー病や橋本病などの疾患に対応するため、診療情報を永久に保存しており、その数は約40万人にも上るようです。

電子カルテやスキャンした紙カルテは院内のサーバーで保存しますが、サーバーが被災すればデータが失われる恐れがあります。

データは業者委託して外部保存していますが、診療後速やかに記載内容を更新するのが難しかったそうです。

 

同病院によると、クラウドサービスは、災害時のデータ散逸と診療中断が懸念される状況を解消しようと導入し、ネットを介して関東地方のデータセンターにカルテを逐次保存し、診療室のパソコンから開けられるようにしました。

また、万全を期すために、4月からはデータセンターをもう1ヶ所、西日本にも増やすそうです。

 

2018.3.26 神戸新聞