増える子どもの「心の病」 姫路の病院に児童思春期病棟
高岡病院(姫路市)に、子どもの精神疾患に対応する「児童思春期病棟(30床)」ができました。
子どもの「心の病」は増加傾向ですが、入院設備を備えた児童精神科病院は県内でも数が少ないそうです。
不登校、うつ病、ゲーム依存、強迫性障害、摂食障害、PTSDなどの小中学生たちに対し、医師、看護師、臨床心理士たちのチームが一人一人の背景を探り治療を続けています。
近年、児童精神科への注目度は高く、昨年、高岡病院への中学生以下の新規患者は年間240人に達し、再診を含めた受診者は延べ3千人になるそうです。
予約は1~2ヶ月待ちの状態になり、一時は予約受付を停止したほどで、半年から1年待ちという病院もあるそうです。
高岡病院では、2007年から児童精神科外来に取り組んでいますが、ニーズの高まりから新病棟建設に着手し、2020年6月から運用しています。
新しい病棟は、木目調で天井に大きな葉の模様があり、ハワイの言葉で「家族」を意味する「OHANA」と名付けられました。
30床の個室に院内学級、ラウンジ、緑色をたっぷりあしらったデイルームがあり、病院というイメージではないそうです。
学校でのトラブルや不登校、家庭内暴力などで、家族と暮らしていくことが困難になった子どもたちが入院し、リストカットや大量の服薬経験のある子どももいるそうです。
医師、看護師、ケースワーカー、心理士たちのチームで対応し、子どもたちに寄り添い、頑張るべき場面では背中を押し、一人一人に、温かな医療や福祉を提供しているそうです。
文部科学省のデータによると、特別支援学校に在籍する2018年の「自閉症・情緒障害」は約12万3千人と全在籍者数の5割弱で、2008年に比べると、「自閉症・情緒障害」は2.8倍に上るそうです。
厚生労働省のデータでも24歳以下の精神疾患の患者数は2014年で36万8千人、1999年のほぼ2倍だそうです。
だが、専門医は不足しており、児童精神科の医療スタッフは、院内の治療だけでなく、学校や行政、福祉関係者たちとの連携が必要となり、負担も大きいそうです。
発達障害などを早期に見つけ出すことで、不登校、暴力行為、うつといった2次障害が予防できるといい、1歳6ヶ月児童健診や3歳児健診の精度をあげていくことが重要だそうです。
8/27 神戸新聞