秋から冬にかけて増えるのが、「声が詰まったり、震えたりする」「声が出しづらい」「かすれる」などの喉のトラブルです。

マスクで口を覆う生活が続く中、しっかりした発声も心がけたいものです。

そこで、喉と声を健やかに保つ方法を探ってみました。

 

発声障害の専門外来がある福岡山王病院(福岡市)に、喉のトラブルを訴える人の受診が増えているとのことです。

音声・嚥下(えんげ)センター部長で国際医療福祉大教授の梅崎俊郎医師(耳鼻咽喉科)は、「空気が乾燥すると、声帯の粘膜を傷めます」と指摘しています。

声帯が傷むと、声が出しにくくなるだけでなく、ウイルスにも感染しやすくなるということです。

 

声帯の潤いを保つためにはコツがあり、声帯は、喉の奥にあるひだ状の発声器官で、水などを飲む際には、口に含んだ後、水分を喉の付近でいったんためてからゆっくり飲むようにし、口呼吸は喉を乾燥させるので避け、鼻呼吸を心がけるといいそうです。

 

うがいも役に立ちますが、うがい薬を使い過ぎると喉の粘膜を傷めてしまう恐れがあるので、保湿目的なら水道水で十分。

加湿器などで室内の湿度を50%以上にすることも大切だそうです。

マスクを着けることや、梅味など酸味のあるアメをなめることにも効果があるとのことです。

 

声を出す力は年齢とともに衰えるので、普段から適度に発生することが望ましいようです。

とはいえ、過度な発声や声の使い過ぎは禁物で、「声帯の粘膜を傷めてしまい、逆効果になります」と梅崎医師は注意を促しています。

 

お勧めは、「入浴時に好きな歌を1曲程度歌うこと」で、風呂場は湿度が高く、喉を傷めにくく、響きも良いので、気分もすっきりしそうだということです。

梅崎医師は「声がしっかり出ないと、日常生活が不便になる。喉を健やかに保つよう、日頃から心がけてほしい」と呼びかけています。

 

 

10/21 ヨミドクター(読売新聞)