神戸百年記念病院(兵庫県)様の広報誌「すこやか vol.66」の記事を紹介します。

耳鼻咽喉科が味覚外来を開設しました。

 

味覚障害とは、味の感覚がおかしくなってしまう病気です。
食生活の欧米化や高齢化などにより、現在味覚障害を訴える患者さんは、近年増加傾向にあります。2003年の調査では味覚障害患者数は年間約24万人と推測され、その数は年々増加傾向にあると言われています。

 

味覚外来では、症状についての詳しい問診後、舌や鼓膜を診察し、甘味・塩味・酸味・苦味の
4種類の味をしみこませた濾紙を舌に置き、どの濃さで分かるか調べる味覚機能検査を行います。

 

味覚障害が疑われる方には血液検査、唾液の検査、嗅覚の検査や場合によってはCT、MRIなども用いて原因を調べ、原因に合わせた治療を行います。

 

亜鉛不足が原因であれば、亜鉛を補う薬を処方します。

亜鉛には味蕾の再生を促す効果があり、最近の研究によると、亜鉛を3~6ヶ月補うことで味覚障害の約7割の方が症状の改善を自覚されると言われています。

 

嗅覚障害が原因であれば、鼻詰まりの治療を行い、全身の病気が原因の場合は、専門医と連携して治療を行うそうです。

 

味覚障害は経過が長くなるほど治りにくく、とくに高齢ではその傾向が強くなるとのこと。
味が感じられないと、食べる楽しみが減るばかりでなく、腐ったものや毒のあるものが分からず命にとっても危険であるため、早期治療が重要です。