日本初の「ロボット薬局」が、大阪・梅田の「梅田薬局」にあります。

 

医師が端末に処方箋を打ち込むと、薬局にデータが送信され、ロボットが薬を選び始めるそうです。このロボットを共同開発した薬局運営会社「メディカルユアーズ」(神戸市灘区)が、2021年内にも神戸市内に同様の薬局を開設する計画を進めているとのこと。

 

ロボットが薬剤師の役割を代替するのではなく、単純労働から開放し、専門性を生かせる時間を生むためだそうです。

 

薬を箱のまま処方する国が多いのに対し、日本は、患者ごとに必要な分だけ渡す「計数調剤」という独自の方式を採るため、ロボットに特定の箱を運ばせても、残った薬を入れた箱を戻す必要があり、その管理が極めて難しかったそうです。

 

試行錯誤の末、2019年3月にロボットを導入した「梅田薬局」を開設しました。

メディカルユアーズが経営する従来型の薬局では平均8分17秒ある待ち時間を、平均2分53秒にまで縮めたそうです。

 

また、薬剤師が薬を探す時間がなくなっただけでなく、クリニックから処方データを直接ロボットに送信することで、画期的な待ち時間圧縮に成功し、わずかながら生じていた薬の数え間違いや別の薬との取り違えも、全くなくなったそうです。

 

一般的な薬局で1,200品目程度という薬も、梅田薬局では2,500品目をそろえ、多様な処方箋に対応できるようになったそうです。

 

薬剤師の一日の勤務時間の半分が薬を取ってくる時だと言われている中、調剤の自動化で期待するのは、単純作業に忙殺される時間の短縮です。

 

また、薬剤師は、処方箋通りに薬を用意するだけでなく、副作用の面から医師に処方を見直すように意見したり、患者を問診して、薬が適当かチェックしたりするのも重要な仕事と指摘されています。

 

同社は、6月に神戸市灘区の阪急王子公園駅近くに薬局を開き、新たなロボットを年内にも導入する準備を進め、ロボット薬局を通じて、薬剤師の仕事を、さらに知的で創造的なものにしていきたいそうです。

 

 

4/10 神戸新聞

梅田薬局