1月29日 「万能細胞」発見という報道に驚いた方も多いのではないでしょうか。

万能細胞ことSTAP細胞について掲載記事を集めてみました。

 

● 1月29日毎日新聞

理化学研究所 発生・再生科学総合研究センター(神戸市)と米ハーバード大の共同研究チームが

マウスの体細胞を弱酸性の溶液に浸して刺激を与えることで、どんな細胞にも変化できる万能細胞『STAP細胞』を

世界で初めて作製することに成功したと発表した。

 

万能細胞の研究を中心に進めた理化学研究所 発生・再生科学総合研究センターの小保方晴子・研究ユニットリーダが

「刺激惹起(じゃっき)性多能性獲得(Stimulus―Triggered Acquisition of Pluripotency)」の英語の頭文字から

STAP細胞と命名した。

 

 

研究内容は

マウスのリンパ球を弱い酸性(pH5・7)の溶液に30分間入れた後、別の培養液に移すと、2日以内にリンパ球が本来の性質を失った。細胞の数は7日目に約5分の1に減ったが、残った細胞のうち3〜5 割が万能細胞特有の性質を示したとのこと。

これらを別のマウスの受精卵に移植すると、体のあらゆる部分にSTAP細胞からできた体細胞が交ったマウスが生まれ、STAP細胞がさまざまな細胞に変化することが証明されたとしている。

 

このように細胞が刺激を受けて、受精卵に近い状態に巻き戻しする初期化現象がおこることを証明したのは初めてだそうです。

またSTAP細胞は作成が容易で、人工多能性幹細胞(iPS細胞)で問題になるがん化や染色体への影響も確認されていない。

またiPS細胞では作れなかった胎盤への変化も確認され、より受精卵に近い能力を持っていると考えられるとのこと。

 

この画期的な成果は、1月30日の英科学誌【ネイチャー】に掲載された。

 

万能細胞の作製効率ですが、iPS細胞よりも高く、期間も2~3週間短いそうです。

またリンパ球の他にも皮膚などの細胞で成功したほか、

細胞を細い管に通す、毒素をかけるなど、さまざまな「ストレス」を与えることでも初期化できたそうです。
 

 

● 2月5日 日経新聞

STAP細胞について京都大学と共同研究を進める事を発表しました。

京都大学にはiPS細胞を開発した山中教授をはじめとする専門家も多数いることから

病気やケガで損なわれた臓器などの機能を補う再生医療などへの応用では共通する課題も多く、研究の効率化が期待できる。

 

現在では、STAP細胞が作れるのは若いマウスの細胞にとどまっており、まだ臨床応用の見通しは立ってないそうだが、

ヒトの細胞でも作成できるか研究を進めていくとのこと。

 

理研などは、今夏をめどに世界初となるiPS細胞を使った目の難病の治療を実施するそうです。

今後京大との共同研究を通じ、STAP細胞研究の加速が見込まれます。